心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
「では、私がマリア様に似合うお洋服をデザインさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「う、うん!」
ルシアンはさらに笑う……というよりもニヤけたような満面の笑みになった。
カタログを握りしめるようにして立ち上がると、同じくらいニヤけているエミリーと注文内容を確認しはじめる。
「普段用のお洋服数着と、ドレスを数着。そのドレスの中には聖女様をイメージするようなデザインのものを何点か……」
「聖女様と言えばやっぱり純白ね。それから……」
2人はやけに楽しそうに話し合っている。
会話に入れないのは寂しいが、楽しそうな2人の様子を見ているだけでマリアも幸せな気持ちになった。