心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

「まぁ……こんなに美しいお辞儀は見たことがありませんわ」

「みんなマリア様の虜になってしまいますわね」


 こんなに褒められたことがなかったマリアは恥ずかしさから思わずうつむいてしまったが、その仕草すらメイド達には可愛すぎたため褒め言葉が止むことはなかった。


 
 みんなマリアのことを褒めてくれる……。
 うれしいな……もっとがんばろう。



 昼食は、マリアは1人で食べることになった。
 レオはすでに家に帰っていて、グレイはガイルとの引き継ぎが忙しく間に合わなかったためである。

 食事作法も同時に行うことになっていたので、寂しいと感じているヒマはなかったのが救いかもしれない。

 今まで生きてきた7年間とは全く違う1日を、マリアはとても楽しく過ごしていた。

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