心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
マリアが不安そうにグレイの方に視線を向けたので、グレイは黙ったままコクッと頷いた。
国王に視線を戻したマリアは、緊張した様子で返事をする。
「……7歳でございます、陛下」
「まぁ。エドワードと同じ年ですわね」
王妃が嬉しそうにそう言うと、小さい方の少年がピクッと反応していた。
サラサラとした金髪の少し生意気そうなその少年──エドワード王子は、頬を赤く染めながらマリアのことを見つめている。
グレイはイラッとした気持ちを顔に出さないように、王子から視線を外した。