心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
「聖女がこの時代にこの国に生まれたことを祝しての大きな催しも今考えている。それには是非とも参加してもらいたい」
「はい」
「パレードや王宮でのパーティーなどを予定しているが、決まり次第連絡しよう」
「はい」
「それから我が息子の第2王子エドワードの婚約者に、聖女……マリア様をと考えている」
「はぃ…………は?」
思いも寄らない突然の言葉に、グレイは思わず国王に向かって素の返事をしてしまった。
今思いついたのか1人で勝手に考えていたのか、王妃や王子も驚いて「えっ」と声を出している。
王妃はとても嬉しそうに喜び、エドワード王子は顔を真っ赤にして国王とマリアを交互に見ている。
婚約者という言葉を知らないマリアは、一気に機嫌の悪くなったグレイを不思議そうに見つめていた。