心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 グレイ、ルシアン、エミリーの視線がマリアに注がれる。
 突然3人から見つめられて、マリアは戸惑いながらもピシッと姿勢を正して3人を見つめ返した。

 ルシアンとエミリーの顔がニヤ〜と怪しく笑う。
 グレイは真剣な表情のままだ。


「こんなにお可愛いマリア様ですもの。やはりこの幼さを引き立てるためにも、ふわふわの華やかなドレスのほうが良さそうな気がしますわ」

「そうですわね〜。遠くからでもこの可愛らしさが伝わりますものねっ!」

「グレイ様はどう思われますか!?」


 ニヤニヤ顔の女2人が、勢いよくマリアからグレイへと視線を変えた。
 あまりの迫力にグレイの顔が引きつっている。
 マリアもじーーっとグレイを見つめた。


「……ま、まぁカラフルで派手な色にならないのであれば、こっちの飾りの多いドレスでいいんじゃないか」

「そうですよね!!」

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