心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 さっき見た光はなんだったの?
 まるであの光が私の身体を治してくれたみたいだったけど……そんなわけないよね。



 そう思ったエマは、自分の布団を見て「ええっ!?」と大きな声を出した。

 血だらけだったはずの布団には、血が一滴もついていない。
 それどころか、ずっと洗っていない布団が真っ白く綺麗になっている。

 エマはバッと自分が抱いている赤ん坊を見た。


「……あれ? こんなにキレイだった……?」


 先ほど見た時はもっと肌に赤みがあり少し汚れていて、髪もベタベタしていた。

 今は、産まれたての赤ん坊はこんなに綺麗なものなのか、と疑問に思うほど美しい。
 肌は白く透き通っていて、短いプラチナブロンドの髪はサラサラとしている。

 いつの間にか泣き止んでいたその赤ん坊は、エマの腕の中ですやすやと眠りについている。
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