心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
「エドワード様!? 大丈夫!?」
「……なっ、なっ、何を言ってるんだ、お前は!?」
「え?」
「む、むむ胸が大き……って、何を……」
レオと同様、エドワード王子も『胸』という単語を言うのになぜかどもっている。顔も、レオと同じように赤くなっていた。
男性に胸の話をすると、こんな反応をされるのが普通なのだろうか。グレイの冷静な反応と違いすぎていて、どちらが普通なのかがわからない。
「あのね、レオに『男の人と胸の話をしたらダメ』って言われたの。でも、理由を教えてくれないのよ。エドワード様なら、教えてくれると思って」
「……まず、最初に誰とそんな話をしたのかを教えろ」
赤くなって焦っていたエドワード王子が、急に怖い顔に変わった。空気がピンと張り詰め、妙な緊張感がマリアを襲う。
声も低く威圧のある雰囲気に、すんなりその相手の名前を出していいものかと迷うほどであった。
エドワード様、怒ってる?
「え、と。誰って……それを聞いてどうするの?」
「投獄する」
「えええっ!? な、なんで?」
「マリアにそんな低俗な話題を振った罪だ」
何それ!?
エドワード王子の顔色はどんどん暗くなっていき、黒いオーラが溢れ出ている。ピリピリとした空気が突き刺さるようで、マリアの顔色も青くなった。
冗談ではなく本気なのだということが、嫌でも伝わってくる。だからこそ、ここでグレイの名前を出すわけにはいかない。