心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
私は聖女の母……。
もう、ボロボロの屋根裏部屋に住むような平民の頃とは違って、これが私がいるべき本当の場所……。
エマはこの時すでに、ジュード卿に洗脳され始めていた。
彼の言うことをそのまま聞き入れ、疑うことなくその通りだと信じるようになっている。
なぜなら、彼はエマの求めていたものを与えてくれる唯一の人なのだから。
「定期的に掃除はさせているのですが、普段あまり使っていないため行き届いてないところも……」
そうジュード卿が話していると、突然赤ん坊から黄金の光が溢れ出た。
ジュード卿は驚き、口を開けたまま赤ん坊を凝視する。