心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
瞳の色と同じ黄金の光。
輝きを放っているというのに、不思議と眩しく感じない。
なんという美しい光なのだと、ジュード卿は目を奪われていた。
だんだんと光が小さくなり突然フッと消えると、ずっと使われていなかった部屋の中がピカピカになっていた。
「これが……浄めの力……! 素晴らしい!」
掃除が必要ないのであれば、この屋敷に使用人はいらないな。食事を運ぶ者……執事が1人いれば十分であろう。
使用人の中で、聖女のことを知る人物は1人でいい。
ジュード卿はそう考え、ニヤリと笑った。
それから6年後。
ジュード卿からマリアと名付けられた赤ん坊は、6歳の誕生日を迎えた。