心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
聖女とは、なんとつまらない存在なのであろう……。
だが、今更王宮に引き渡すわけにはいかない。
それに……これは金になる。
マリアが3歳になった頃、ジュード卿の中でマリアは『聖女』から『金のなる木』へと変化した。
元々金の亡者であったジュード卿は、実験のためではなく金のためだけに聖女の力を使うことに決めたのである。
そこからのマリアの生活は一変した。
毎日出されていた美味しい食事も、1日に1回か2回しか与えてもらえず、それも全てジュード卿とエマの残した物であった。
残り物が出なかったら、その日のマリアの食事はない。