心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
私を狙った?
フランシーヌ様がアドルフォ王太子と共謀して?
なんのことかと目を丸くするマリアに、近くにいた女性研究員がさらに情報を伝えてくる。
「あ。でも安心してくださいね! ロッベン公爵令嬢は今地下牢に繋がれていますので! マリア様がいる間は、この研究室の周りにも騎士を固めて見張ってくれていますし」
「……地下牢? フランシーヌ様が地下牢にいるの? どうして?」
「? だって、マリア様を危険な目に遭わせたんですから。昨夜、エドワード殿下がそう命令を……」
「そんなっ!」
私にウソをついただけなのに、地下牢に入れられるなんて!!
マリアは慌てて研究室の扉をドンドンと叩いた。
通路側で待っていたレオが扉を開けてくれる。その隣にはグレイもいたが、今のマリアの目にはレオしか写っていない。
「レオ!! フランシーヌ様が捕まったってどういうことなの!?」
「な、なんでそれを……」
「当然だろ」
返答に困った様子のレオの言葉を遮り、グレイがキッパリと言った。
「あの女は王太子に協力してマリアを騙したんだ。捕まって当然だ」
「騙したって……! それはそうだけど、でも……!」
「もうあの女に関わるな」
「!」