心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

「もういっそ、今からでも王宮に……。俺は無理矢理言うことを聞かされていたと言えば……。いやしかし、それでも罰は免れないし……裏切ったと貴族の方々に知られては、俺の命も……」


 キーズは3日ほどそんな状態が続いていた。
 生存本能か、自身は時折食事をとっていたらしいが、マリアへの食事にまでは気が回らなかったらしい。

 3日間、マリアは食事を与えてもらえなかった。

 聖女の力なのか、少量であるが水を出すことのできるマリアは、その水だけでなんとか生き延びていた。
 死にかけても、聖女の力で健康体に戻れる。

 しかし、空腹という感覚が満たされることはないので、精神的にはとても辛い3日間であった。
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