おいで、Kitty cat
紅雨
今まで一度も、たった一つのものも、この手には落ちてこないと思ってたのに。
やけにふわりと、ゆっくり落ちてきた大切なものをどうにか包みこんだら。
後から後から、以前は考えられなかった幸運や、これまでけして交わることがなかった縁が指先に繋がってきて。
この苛立つくらいの不思議な現象は、一体何なのだろう。
今になって、こんなにたくさん私の真上に降らせると決めたのが神様なら。
このどれを運命と呼ぶのか、それを決めるのも私じゃないのかな。