君がいない
永遠に続くものが『愛』ならば。
いずれ終わってしまうのが『恋』。
『恋』が『愛』に変わり、永遠に続くこともある。
でも、あたしと君のあいだに『愛』は成立しなかったんだ。
「ごめん」
君がそう言ってくる日を、どこかで予感していた。
いつからだったか……
お日様みたいな笑顔に、曇った表情が見え隠れしていた。
その力強い、大きな腕で、あたしをすっぽりと包み込むことがなくなってしまった。
「……どうして?」
決定的な理由なんて、分からなかった。