運命の人
ツインレイ?
玲サイド

 彼女を見た時の衝撃は言葉では言い表せない、今まで経験したことのないものだった。
 一目見ただけで胸がギュッと強く締め付けられ、心が震えて涙が溢れた。
 好みのタイプとは全然違うのに、探し求めていた人はこの人だと直感した瞬間だった。
 彼女の笑顔、優しさに触れて、面白い言動を目にして、心は完全に奪われた。
 現状、かなり警戒されているけど、彼女に会いたいという気持ちは日に日に強くなっている。

 「冗談だろ?玲が一目惚れなんて」

 近況を聞かせて欲しいと言うから話したのに、大学からの友人の二朗(じろう)は俺の気持ちを否定する。

 「玲はモテるくせに恋愛事に疎くて、たとえ付き合っても長続きしない。恋愛に対する感情が欠落してる男だ。それなのに一目惚れなんて。それが本当なら明日は雪が降るぞ」

 二朗は真面目な顔してバーの窓の外に目を向けた。

 「12月だもの。雪が降ってもおかしくないわよ」

 二朗の言動をサラッと流したのは大学の同級生かつ二朗の恋人の紗香(さやか)だ。
 二人とは大体、三か月に一度のペースで会っている。
 俺にとって唯一、何でも話せる相手で俺のことをよく理解してくれている大事な仲間。
 でも一目惚れを否定された上に感情の欠落とはいただけない。
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