運命の人

 それから腕時計を見ると最寄駅まではまだ30分強ある。
 私も寝てしまおうか。
 でも疲労度から言って、ここで寝てしまったら寝過ごしてしまう可能性が高い。
 だから鞄から資料を取り出して読んでみたけど、眠さには勝てなくて。
 2ページも読み進めないうちに瞼が下がってきてしまった。
 資料を落とすわけにはいかない。
 鞄に戻すと突然、左肩にズシっと重みが掛かった。

 (なに?!)

 驚いて横に向くと男性の頭が肩に乗っているではないか。

 (うーん。どうしよう)

 こういったパターンは今までに何度か経験している。
 にも関わらず方針は定まっていなくて毎回対応に悩む。
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