運命の人
玲サイド

 眠る澪を見つめながら二朗の言葉を思い出した。

 『ツインレイとのセックスは今までに感じたことのない一体感や快感、幸福感を抱くようになる』

 まさかこんな幸せがあったなんて。
 澪は初めてだから、精一杯優しくしたつもりだったけど、余裕はほとんどなかった。
 比べものにならないほどの幸福感。
 性欲はあまり強くない方だと思っていたのに、澪の柔らかく、みずみずしい肌に触れた瞬間から澪の肌の虜になってしまった。
 俺が付けた紅い印をそっと撫でる。
 世界で一番愛おしい存在。ずっとこのままそばにいてほしい。

 「ん…如月、さん?」

 澪が目をこすりながら起きた。

 「ごめん。起こしちゃったか」

 「大丈夫です…って、うわ!裸だ!」

 澪は慌てて隠すように掛け布団を引き上げ始めた。
 今更隠しても意味ないのに。

 「本当に澪は可愛いな」

 「だからそれ、言わないでくださいって。ていうか、服どこ?!」

 キョロキョロと辺りを見回す姿は小動物のようでたまらなく可愛くて、布団ごと抱き締めると驚いたのか澪が「ひゃっ!」と可愛い声をあげた。

 「なにしてるんですか?!びっくりします!」

 「あまりに可愛かったからつい。それより体は大丈夫?」

 「大丈夫です」

 澪は恥ずかしそうに俯くと小さな声で続けた。

 「如月さんが優しくしてくれたから」

 「いや、そういう可愛いこと言うと」

 また抱きたくなるじゃないか。
 もちろん澪の体のことを考えて本当に抱いたりはしないけど。
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