運命の人
転勤?
澪サイド
昨日の如月さんはどこかおかしかった。
元々言動におかしなところはあったからさほど気にすることでもないとは思うけど、なんか気になる。
「どうした?ぼーっとして。考え事か?」
資料室へと向かう廊下を歩いていると、佐々木くんに声を掛けられた。
「詐欺師の彼氏の悩み?」
「詐欺師じゃなかったから」
疑った時もあったけど、愛されている実感がある今は心の底から如月さんのことを信じている。
「じゃあ仕事の悩みか。それなら聞けるうちに聞いてやるから遠慮なく言えよ?」
佐々木くんがそう言うのは転勤が決まったから。
「寂しくなるな」
今回の人事は栄転だから喜んであげるべきなのに、なんでも話せる同期がいなくなるというのは本当に寂しくて気持ちが沈む。
「お前、それ、彼氏の前では絶対に言うなよ?嫉妬深いあいつのことだから何するかわかんねーだろ」
「さすがになにも」
しない、とは言い切れないのがつらい。
「ま、それだけ愛されてるってことなんだろうけど、もし澪が俺みたいに転勤になるってなったらあいつ、どうするんだろうな。仕事辞めて付いて来るのかも?」
「そんな無責任な人じゃないよ」
ただ、いつか来るであろう転勤のことは考えておかなきゃいけない。
遠距離恋愛になって別れたという話は社内でも時々耳にするから。 本当に辞令が下りたら、私はどうするべきなのか。
昨日の如月さんはどこかおかしかった。
元々言動におかしなところはあったからさほど気にすることでもないとは思うけど、なんか気になる。
「どうした?ぼーっとして。考え事か?」
資料室へと向かう廊下を歩いていると、佐々木くんに声を掛けられた。
「詐欺師の彼氏の悩み?」
「詐欺師じゃなかったから」
疑った時もあったけど、愛されている実感がある今は心の底から如月さんのことを信じている。
「じゃあ仕事の悩みか。それなら聞けるうちに聞いてやるから遠慮なく言えよ?」
佐々木くんがそう言うのは転勤が決まったから。
「寂しくなるな」
今回の人事は栄転だから喜んであげるべきなのに、なんでも話せる同期がいなくなるというのは本当に寂しくて気持ちが沈む。
「お前、それ、彼氏の前では絶対に言うなよ?嫉妬深いあいつのことだから何するかわかんねーだろ」
「さすがになにも」
しない、とは言い切れないのがつらい。
「ま、それだけ愛されてるってことなんだろうけど、もし澪が俺みたいに転勤になるってなったらあいつ、どうするんだろうな。仕事辞めて付いて来るのかも?」
「そんな無責任な人じゃないよ」
ただ、いつか来るであろう転勤のことは考えておかなきゃいけない。
遠距離恋愛になって別れたという話は社内でも時々耳にするから。 本当に辞令が下りたら、私はどうするべきなのか。