運命の人
「なんで今?全然そんなつもりなかったですよね?」
「そんなことないよ。俺は前から澪のこと、結婚前提で考えていた。結婚するなら澪以外にはあり得ない」
「それは嬉しいですけど」
急過ぎる。
話の流れ的に実家に行くついでに結婚の挨拶もしちゃおう、みたいな軽い感じに思えるし、プロポーズってこんな突発的にされるものじゃない気がする。
「澪は結婚とかまだ考えてない?」
「そんなことはないです」
つい最近参列した友達の幸せに満ち溢れた結婚式を見て羨ましいと思った。
私もいつかはしたいと思うし、相手は如月さんがいい。
「でも私はまだ仕事を続けたい。だから…話が戻りますが、転勤のことを踏まえてもう一度考えてほしいんです」
転勤となると会いたい時に会えない、そばにいてほしい時にいない、忙しくてすれ違いになるなどの問題が発生する。
その状態を乗り越え、円満な関係を続けるのはきっとすごく強い覚悟が必要だと思う。
「大丈夫だよ、俺たちは」
如月さんの表情と言葉には迷いが感じられないけど。
「なにを根拠に?」
聞くと如月さんは微笑んだ。
「ツインレイだから」
「ツインレイ?」
初めて聞く単語に首を傾げると、如月さんはツインレイについてあれこれ教えてくれた。