四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
「海斗さんの気持ちにですか?」

「皐月が十五歳で…俺は二十一だった。…犯罪だな」

「あはは…」

「その頃の四季は…あー、それはいいや」

「四季くん?なんですか?」

「いや、それは今は関係ないから」

「はい…」

「四季と皐月があんまり遊ばなくなった時期があってさ。俺も皐月のことをただの勘違いだって思いたくて避けてたんだ。そしたら皐月がひとりで俺んちに来て。かいちゃんまでぼくを捨てるの?なんて女みたいなこと言ってさ」

思い出すように、海斗さんが笑みをこぼした。
悲しそうな表情だった。

「捨てるってなんだよって言ったら、自分をひとりぼっちにしてみんなどっか行っちゃうんだ、なんて言うもんだから、衝動で皐月を抱き締めてた。気持ちの全部を皐月にぶつけてた。お前を傷つけて軽蔑されるのが怖かったから俺を忘れて欲しかったんだって…必死に喋ってた」

「皐月くんは…?」

「皐月のほうから…俺にキスしてきたんだよ」

「え…そうなんですか。両想いだったんですか?」

「いや、違う」

「え?」
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