四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
届いたメロンソーダを一口飲んで、皐月くんが「あ、ごめん。お腹すいてた?」って言った。

「ううん」

「なんか食べたかったら言ってね」

「うん。それより、どうしたの?話があるんでしょ?」

「あー…うん。そうだね」

ソワソワと落ち着かなそうに皐月くんはカラオケルームに視線を走らせている。

私は立ち上がって冷房の調整をした。

皐月くんが暑がりなのか寒がりなのかよく知らないけれど、
エアコンの真下に座っている皐月くんは寒そうだったから。

「シュリちゃんさぁ…」

「うん?」

「なんでぼくが桃のアレルギーだって知ってたの」

「え?…あぁ、覚えてない?四季くんと付き合い始めた頃に三人でアイス買いに行ったの。ほら、いつものコンビニ」

「よく行ってるからね。どのときかまでは分かんないや」

「ふふ。そうだね。それでね、桃のシャーベットがあって、四季くんがそれにしようか悩んでたの。そしたら皐月くんが、アレルギーだからやめてって。しーちゃんのも食べたくなったら貰えないじゃんって言ったの。四季くんが、あぁそうだった、ごめん。でも俺のまで取ろうとすんなよって、皐月くんの髪の毛わしゃわしゃーってして。仲がいいんだなぁって思ったの」

「あったかな…そんなこと…」

そう言うけれど、皐月くんはたぶんちゃんと思い出してる。
ちょっと照れくさそうな表情。
もう皐月くんの気持ちもだんだん読み取れるようになってきた。
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