四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
「でもそんなことはもうどうでもいいんだ」

「え?」

皐月くんが「ちょっと寒いね」って言って、
冷房の温度を上げた。

そのまま、私が座っているほうへ移動してきた。

避ける隙もないくらい、ナチュラルに皐月くんの指先が私のおでこに触れた。

「四季くんが好き?」

「うん」

「即答だね」

「当たり前…」

スーッと目元から口元に皐月くんの指が滑る。

「ちょ…皐月くん…?」

「そりゃそーか。あんな風に求めるんだもん。好き好きーって」

「なに言ってッ…!」

四季くんよりもちょっと高めの声。
どれだけ長く一緒にいたって、やっぱり先輩には見えないくらいの少年っぽさが皐月くんにはある。

なのに声をひそめて低音で喋る声に、ゾクッとした。
快感の、じゃなくて…知らない男性が目の前にいるみたいで…。
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