四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
夕凪が教室に戻ってきたのは朝礼が始まるギリギリの時間だった。

やっと二人で話ができたのは、
一時間目が始まる前のちょっとの時間だけ。

「夕凪ごめんね。私のせいで夕凪が嫌味言われちゃったよね」

「それは別にいいよ。柳瀬が言ったことは間違ってはないと思うし」

「間違ってない…?」

「私がシュリを見逃そうとして、不公平なことしようとしたのはほんとだし。それにシュリが反省してなかったこともね?」

「ごめんなさい…」

「てか、ほんとに知らなかったの?柳瀬のこと」

「うん…。風紀委員の顧問になったなんて全然知らなかった」

「どんだけボーッとしてたのよ…。放課後、大丈夫?」

「他の生徒もいると思うし…大丈夫だと思う」

「柳瀬さ、ちょっとシュリにちょっかい出しすぎなとこあるし、気をつけなね」

「うん…」

夕凪には柳瀬とのことは話していない。
私が失恋したことも知らなかったし、四季くんが初めての彼氏だって思ってる。

親友でも言えるわけない…。
私の中から消し去りたい黒歴史だもん。

なのになんで柳瀬は今になって絡んでくるんだろう。

それが私にだけなら、私が我慢してればいい。
四季くんにまで何かされてしまうかもしれないことが嫌だった。
 
四季くんとの平穏な幸せを壊されたくない。

それだけは絶対に…心が堪えられない。
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