四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
「四季はね、私のお下がりなの」

「お下がり…?」

「四季にぜーんぶ教えたのは私よ?私を喜ばせるためだけに、私の好みを叩き込んできた。ね、四季ってば本当にイイ男になったでしょ?あんたが四季にどれだけそそられても、それは私を喜ばせるためのテクよ?四季は私のものなの。あんたに四季を手懐けるなんてムリ」

「いい加減にしてください」

四季くんがことりさんの肩をグッと掴んで私から引き剥がした。

「ほんと、下品な女性ですね」

冷めた表情でことりさんを見据える四季くんのヘーゼルナッツ色の瞳。
ピンヒールを履きこなすことりさんよりも身長の大きい四季くんが、蔑む目でことりさんを見下ろした。

「本当はこんな話、あなたに教えてあげる義理もないんですけど。俺はあなたを喜ばせるテクでシュリを抱いたことなんて一度もありません。どう触れたら気持ちいんだろう、どこがシュリの欲情を引き出すスイッチだろう。シュリを幸せな気持ちにしてあげたい。シュリを俺でいっぱいにしたい。初恋みたいに、シュリのことだけを考えて、シュリを俺だけにしたくて、それだけの想いだけでシュリを愛してきた。そこにあなたの片鱗なんて一切ない。なんの勘違いですか?気持ち悪い」

四季くんが言葉を発するたびに恥ずかしそうに両手で顔を覆っていた皐月くんが「わー大胆!」なんて声を上げた。

私だって恥ずかしくてたまんないけど、ことりさんには効いてるみたいだった。

「なに洗脳されちゃってんのよ!私が四季を戻してあげなきゃ…こんなガキにッ…!」

「その辺にしとけよ」
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