四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
「お金なんかで満足してくれるなら惜しくない。でも家族には迷惑かけられないからさ、俺が出せる範囲内だけど、それでもことりさんが抱える地獄はちょっとくらいはマシになるんじゃない?それは、手切れ金ね?二度と俺に関わらないって誓約書でも書いてくれたら、それを俺が買ってあげる。ね、悪い話じゃないでしょ?」

「貰えば?四季に御慈悲を与えてもらって、惨めな姿晒してさ。どっちにしろ今のお前はただの哀れな女だし。地獄這いつくばってんのと別に変わんないじゃん」

「誓約書、私も買いたいな」

「ぼくもー」

「だったら保護者代理として俺も協力しようか?」

「ふざけんなッ!!!」

叫んだことりさんの声が閑静な住宅地に響いた。

「さっさと別れろクソガキども!お前ら全員地獄に堕ちろッ!」

カツカツカツ、って地面を鳴らして乱暴に立ち去っていくことりさんの体がガクッて傾いた。
折れたピンヒール。

ヒールを脱いだことりさんは、忌々しそうに地面に叩きつけて裸足で去っていった。

「あっはははははは!傑作だねぇー。ビジュがイイだけじゃひとって幸せになれないんだね。教科書に載せて欲しいーあははははっ」

「皐月くん、笑いすぎ」

「シュリちゃんだって我慢してるじゃん。声、震えてるよ」

「もー言わないでよ」
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