四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
「わ…」

私と四季くんは同時に声を出した。

四季くんのタキシード姿!
かっっっっっっっっっこいいいーーーー!!!

真っ白のベースに、襟元が淡いベージュで、
前裾は丸っこくカットされている。

長身でスラッとしてる四季くんに本当によく似合ってる。

「四季くん…かっこよすぎるよ…」

「新郎のタキシードはね、式を挙げる時間帯によって変わるんだけど、これはモーニングコートっていうの。お昼間に挙げる式で、最も格式の高い正礼装(せいれいそう)よ」

「ほんっとに素敵…」

「照れるって…それよりシュリ…」

「あー…えっと…やっぱ、変?」

「世界一きれい。ね!?」

興奮した様子の四季くんが、思わず親友さんに振っちゃって、「すみません!」なんて慌てている。

親友さんはおかしそうに笑いながら「ほんっとにきれいよ。想像以上!」って言ってくれた。

「シュリ、こんなに可愛いひとが俺のものでいいの?」

「四季くんっ…人様の前で恥ずかしいよ…」

「はーいはい!まったく、四季くんの反応も想像以上なんだから。せっかくだから写真、撮ってくる?」

「えっ!?いやいや、汚しちゃいけないし!」

「だーいじょうぶ!今、決めたわ。参加してくれた方へのギフトとしてウェディングフォトの試写会もつけちゃおーっと」

「今…決めたんですか…?」

「えぇ。あなた達の反応を見てたらね。ひとの、こんなに幸せな瞬間に立ち会えるなんて素敵すぎるわよ。今日、来てくれた恋人達と必ずまたここで会えますようにって、願わせて」

本当に結婚式を挙げるわけじゃないのに、
今日がとても大切な日に思えた。

裾を引きずらないようにスタッフの方が持ってくれて、
実際の撮影場所として使われる場所へ移動した。

なんだかバージンロードを歩いているみたいな気持ちになってドキドキした。

私達と入れ替わりでドレス室に入ってきた方達に「きれいね」なんて言われて、頬が熱い。
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