四人の旦那様〜結婚してください〜
素直に思ったことを口にすると、健吾さんは「そんな風に見えます？」と訊ねる。私が頷くと健吾さんは少し恥ずかしそうに言った。

「……実は、動物が好きなんです。でもこういうところに男一人では入りにくくて。よろしければ付き合っていただけませんか？」

そう言った後すぐに、「あっ、動物平気でしたか？聞くのを忘れていました」と慌て始める。その様子がいつも纏っているクールな健吾さんとは別人みたいで、どこか可愛らしくて笑ってしまう。

「私も動物好きですよ。行きましょう」

健吾さんの手を自然と取っていた。初めて触れた大人の男性の手は、私やクラスの男子よりずっと大きくて、ドキドキしてしまう。チラリと健吾さんを見ると、耳まで赤くなっていた。……可愛い。

木製のドアを開けて店内に入ると、エプロンをつけた店員さんであろう女性が「いらっしゃいませ〜」と出迎えてくれる。このカフェでの注意事項などを聞いて、席に案内された。

このカフェでは、フェレットやハリネズミなどの小動物をモチーフにした食事やドリンクを楽しむことができて、実際に触れ合うこともできる。早速私と健吾さんはフェレットを抱っこさせてもらった。
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