四人の旦那様〜結婚してください〜
永遠に愛してる
「胡桃、今日こそ話してもらうからね!」

結翔くんとのデートから二日後、いつものように学校に行った私は友達にグルリと取り囲まれる。みんなの目は「絶対に逃がさない」と物語っていて、私は逃げられないと悟った。まるで肉食獣に取り囲まれた草食動物だ。

「この前に学校に来てたイケメンは誰!?」

「将来の結婚相手ってどういうこと!?」

凪さんが学校に迎えに来たあの日から、私は友達からその質問をされるたびに逃げてきた。進路が決まってないから多重婚のテストを受けてます、なんてやっぱり言えなくて……。でももう限界だな。

「……ちょっとこっちに来て」

さすがに他の人も大勢いる教室で話す勇気はなく、私は空き教室へと友達を連れて行った。そしてそこで多重婚のことを説明する。

「えっ!?ていうことは、あの三人旦那さん候補がいるってこと!?」

「あんなイケメンがあと三人も!?」

みんな驚き戸惑っていた。そりゃあそうだよね。まだ多重婚の法案はまだ世の中にそれほど浸透していないから。
< 36 / 45 >

この作品をシェア

pagetop