四人の旦那様〜結婚してください〜
無表情に健吾さんは言い、中村くんを拘束する手の力を強める。私がそれを見て呆然としていると、ふわりとカーディガンがかけられた。

「大丈夫……じゃなさそうだね」

結翔くんが私の怪我を見て、怒りをその目に宿しながら言う。私が何かを言う前に結翔くんは素早く私を抱き上げた。お姫様抱っこで。

「ゆ、結翔くん!私、歩けるから……」

「こんな怪我してるのに無理に歩いちゃダメだよ。こんな時くらい甘えて」

結翔くんの優しい声に、私の体に触れている優しい手に、涙が滲む。さっきとは違った涙だ。

チラリと後ろの様子を見れば、凪さんと敦さんも中村くんを押さえていて、彼が逃げられないようにしている。それにホッとしつつ、ふと疑問が浮かんだ。

「どうしてみんな、駆け付けてくれたんだろ?」

ポツリと呟いてしまったその言葉に、結翔くんが足を止める。顔を上げれば彼は笑っていた。でもその顔にゾクリとする。

「どうして助けられたと思う?」
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