四人の旦那様〜結婚してください〜
結翔くんの言葉に、私は何も返すことができなかった。



私は家に戻って結翔くんに手当てをしてもらい、落ち着けるようにとココアを持って来てくれた。それを飲んでしばらくすると、健吾さんたちが帰って来た。私がソファから立ちあがろうとするのを制し、敦さんが真っ先に駆け寄る。

「胡桃ちゃん、大丈夫?」

「はい。結翔くんに手当てしてもらいました」

私がそう答えると、敦さんは安心したような笑みを浮かべながら私の頰に触れる。その優しい手つきが心地よく、私が猫のように顔を擦り寄せていると、健吾さんが言った。

「胡桃さん、あの男は署に連行されましたので安心してください。また後日、調書の作成のため後日胡桃さんも署に出向いてもらわなければなりませんが……」

「わかりました。……あの、皆さん、助けていただいてありがとうございました」

健吾さん、凪さん、敦さん、結翔くんの顔を見て私はお礼を言う。あのまま助けが来なければ、私はどうなってしまっていたのか。考えるだけで恐ろしい。
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