四人の旦那様〜結婚してください〜
ドアが開き、凪さんが部屋に入ってくる。凪さんだけじゃない。健吾さんに敦さん、結翔くんもいる。健吾さんが一枚の紙を私に見せた。

「まずはこの紙に記入をお願いします。もう私たちは書きましたから」

健吾さんに渡された紙に戸惑う。それは婚姻届だった。普通のものと違うのは、妻になる人・夫になる人の欄が多いことだけ。健吾さんたちの名前は全て記入されている。

「あの、どうして婚姻届なんて……。私たちの多重婚はまだテスト段階なんじゃ……」

戸惑う私の手を敦さんがそっと握る。その仕草はとても優しいものなのに、その目は猛獣のようにギラギラとしていた。

「もうテストじゃないんだよ。正式な夫婦になるって政府の人間には伝えたからね。これで胡桃ちゃんをちゃんと守れる」

「守る……?」

私が首を傾げると、結翔くんが私の膝を指差した。そこにはまだガーゼが貼られて痛々しくなっている。

「正式な夫婦になったら、もうコソコソせず堂々とできるんだ。胡桃を学校まで送り迎えできるし、あんな男に狙われることもないよ」
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