甘い鎖にとらわれて。



「実帆ちゃん何ぶっ飛んだこと言ってるの……。別にただのお隣さんだし、それだけでしょ?」


『いやいや、少女漫画の展開なら何かあるの』


「私は少女漫画の中には住んでないからね」


『もうちょっと夢見ようよ莉乃』



だって、よろしくとは言ったけど、何か関わりがあるわけではない。


それに元々、そこまで話したことがないし……。


私の中ではお隣さんが同級生だった、という感じ。
特に何も変化はない。初めはそりゃ驚いたけど。


もし私が実帆ちゃんなら卒倒してたかもしれないけれど、私は深月くんを推してないからなあ。



『でもいいなあ〜!毎日推しの顔を近くで拝めるチャンスがあるってことでしょ?』


「うーん、隣人だからってそんなことは起こらないと思うんだけど……」


『莉乃私と家交換しない?』


「ここ家賃安くて助かってるので、遠慮します。交換したい気持ちは山々なんだけどね」


『あははっ、さすが莉乃』



< 17 / 66 >

この作品をシェア

pagetop