甘い鎖にとらわれて。
不思議だったけれど、それはすぐに恐怖に支配されてどこかへ飛んでいく。
「っやめ、て……!」
ちょうど首あたり。
私はなぜか"食べられる"、そう思った。
「……っ」
もう駄目だと思ったその瞬間、もうひとつの近づいてくる足音が聞こえた。
「やめなよ、ーー…フォークさん」
聞き慣れた、柔らかい声。だけど今は鋭くはないけれど、ひんやりと冷たい。
急に現れた彼の声に、ピタリと私を拘束していた男の人の動きが止まった。
誰か、なんて。
そんなの、さっき仮面を暴いたばかりなのだからーーー彼を見ずとも、分かる。
「っみづき、くん」
助けを求めた声に、ニコとひとつ笑顔だけ。
「これ完全にあてられちゃってるけどーー同意?……なわけねえか」
……あて、られてる……?
どういうことか分かずに、困惑する。