甘い鎖にとらわれて。



このホットミルク、はちみつが入っているみたい。

自然な甘みが美味しい。



「どう?ちゃんと出来てる?俺味分かんないからさー」



さらっと爆弾を落とす彼に、私はやっぱり不安を拭えないでいた。



「……ねえ、深月くん」


「なに?」


「深月くんは…"フォーク"……なの?」



違うと言ってほしかった。そうしたら、まだ可能性が低かったから。


縋るような瞳を向けても無駄だとわかっていながらも、諦めることはできない。



ーーだけど、



「そーだよ。……で、薄々感づいていると思うけど柚原さんは"ケーキ"なんだよ」



願ってどうにかなるものではないと、希望は呆気なく散った。



心臓がどくどくと速まる。さっき襲われそうになった時の比じゃないくらいに。



理解が追いつかない、いや、追いつきたくないだけ。



ひどく混乱している頭で、ゆっくりと知識を手繰りよせた。




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