甘い鎖にとらわれて。



『薄々感づいていると思うけど……柚原さんは"ケーキ"なんだよ』



さっきの言葉を思い出す。


信じられない、信じたくない。


全身に鳴り響く鼓動が、私の平常心を狂わせる。


ぎゅ…と腕で自分のからだを抱きしめた。



「……深月くんは」


「…ん?」


「深月くんは、今まで私のことをどう思って接してたの……?」


「……」



べつに、答えは分かりきっていた。だから、聞かずとも分かる。


まだ現実を受け入れられていない私は、ここでひとつ過ちをおかした。


返事がなかった彼をおずおずと見ると、……その冷たい瞳と目が合った。



「ーーっ、きゃ、」


「どう思っていたか?そんなのお前も分かってるでしょ」


「ーーっ」



すぐそばにあったソファに縫い付けられるみたく倒される。


目の前には、覆いかぶさっている深月くん。


急なことに身動きがとれず、私はされるがまま。



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