甘い鎖にとらわれて。


この時間に一人はおかしい。それに物が少すぎる。


そう尋ねると、彼の瞳にふと影が落とされた。



「…そうだよ。俺がフォークって両親に知られたからね」


「……」


切なそうな表情になったのは、瞬きをするまでの一瞬だけ。

後はいつも通りの"仮面"の姿。


初めて、彼の素顔を見た気がした。



「ーーてゆーか、柚原さんってバカなの?」


「え?」



その言葉と同時。とさっと、さっきと同じようにソファに押し倒された。



「男の部屋には入っちゃだめでしょ?」


「……テストは平均だし、これは不可抗力だと思う…」


「はは、……そういうことじゃねーよ」


「え……」



ノコノコ付いていったら"こーいうこと"されるよ?


危険な笑み。妖艶な雰囲気。


意味がよく分からなかった言葉と共に、彼は私の首元に顔を埋めた。



「え…みづきく、ーー…っ」



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