甘い鎖にとらわれて。


男子に慣れていないせいで、余計にわからないことだらけ。


ぐるぐると考えても、無駄だ。




「あーあ、俺のせいで眠れなかったなんてかわいそーに」


「……っちがう、」


「そ?昨日はごちそうさま」


「〜〜っ」



昨日の記憶を強制的によびおこされる。


私は声も出ないのに対して、目の前の彼は平然としている。


……夢かと思ってた、のに。


さらっと言ってのけるところに、少しムッとした。
私はこんなに同様してるのに、何もなかったみたい。



「……絶対ちがう」



こんなに心臓が鳴ってるのも。
普段と変わらず接してくれていることに安心感をおぼえているのも。



「まあいいけど、お前近づいたらすぐ赤くなるね」


「……っなれてないから、深月くんと違って」


「へえ、俺そんな風に見える?」


「今の深月くんだと、めちゃくちゃ」



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