冷徹社長の溺愛~その人は好きになってはいけない相手でした~
6
凛とロイヤルグリシーズに来たのは思いつきだった。
凛が捨てられた仔犬のような目をするものだから。あんなに寂しそうにされたら放っておくわけにいかないだろう。
直前だったが予約を捩じ込んだ。幸い部屋は余裕があったし、なんとかなって良かった。ちょっとした権力は使わせてもらったが、自社といえどお金は払っているし問題無い。
初日は船内探索だけで終わり、二日目は買い物をして、ミュージカルとアクティビティを楽しんだ。
「怜士さん、準備できました」
三日目の今日は、朝に韓国の島に入港した。
朝一で下船して、凛はお菓子と化粧品を買っていた。
普段はあまり化粧っ気ないが、やはり女性だなあと思う。買ってやるといっているのに、予算を考えながらじっくり吟味していた。
二時間ほどで戻り、お菓子を摘まんでいたので、お昼前からプールを楽しむことにした。
水着に着替えた凛が、恥ずかしそうに洗面から顔をだす。
昨日食事の後に買った、水着とワンピースを着ている。オレンジの明るい色を選んでいたが、凛のひまわりのような笑顔にぴったりだ。
ワンピースは、ボディラインが出る大人びたデザインだ。
普段はジーパンと緩めのティーシャツ姿しか知らなかったため、いつもと違う雰囲気が彼女の魅力を引き立てた。
計算外だったのは昨夜。
ベッドが四台もあったのは失敗だったかもしれない。凛は俺と一番遠くのベッドを選んだ。
なんでそれを寂しく思ったんだろう。
いつの間にか一緒に寝るものだと思い込んでいたらしく、ひどくがっかりした。
(まあ、恋人なわけでもないもんな)
じっとみていると、凛が俺を見上げて反応を待っていた。
(仔犬……)
喉の奥で笑うと、凛は慌てる。
「や、やっぱりなんか変ですか……!」
「違うよ。可愛すぎて笑ったんだ」
「もう、怜士さん昨日からそればかり……」
どう反応していいかわからない、という反応も新鮮だ。凛ならなんでも愛おしく思えるのかもしれない。
「よく似合ってる」
そう言うと凛ははにかんだ。
凛が捨てられた仔犬のような目をするものだから。あんなに寂しそうにされたら放っておくわけにいかないだろう。
直前だったが予約を捩じ込んだ。幸い部屋は余裕があったし、なんとかなって良かった。ちょっとした権力は使わせてもらったが、自社といえどお金は払っているし問題無い。
初日は船内探索だけで終わり、二日目は買い物をして、ミュージカルとアクティビティを楽しんだ。
「怜士さん、準備できました」
三日目の今日は、朝に韓国の島に入港した。
朝一で下船して、凛はお菓子と化粧品を買っていた。
普段はあまり化粧っ気ないが、やはり女性だなあと思う。買ってやるといっているのに、予算を考えながらじっくり吟味していた。
二時間ほどで戻り、お菓子を摘まんでいたので、お昼前からプールを楽しむことにした。
水着に着替えた凛が、恥ずかしそうに洗面から顔をだす。
昨日食事の後に買った、水着とワンピースを着ている。オレンジの明るい色を選んでいたが、凛のひまわりのような笑顔にぴったりだ。
ワンピースは、ボディラインが出る大人びたデザインだ。
普段はジーパンと緩めのティーシャツ姿しか知らなかったため、いつもと違う雰囲気が彼女の魅力を引き立てた。
計算外だったのは昨夜。
ベッドが四台もあったのは失敗だったかもしれない。凛は俺と一番遠くのベッドを選んだ。
なんでそれを寂しく思ったんだろう。
いつの間にか一緒に寝るものだと思い込んでいたらしく、ひどくがっかりした。
(まあ、恋人なわけでもないもんな)
じっとみていると、凛が俺を見上げて反応を待っていた。
(仔犬……)
喉の奥で笑うと、凛は慌てる。
「や、やっぱりなんか変ですか……!」
「違うよ。可愛すぎて笑ったんだ」
「もう、怜士さん昨日からそればかり……」
どう反応していいかわからない、という反応も新鮮だ。凛ならなんでも愛おしく思えるのかもしれない。
「よく似合ってる」
そう言うと凛ははにかんだ。