冷徹社長の溺愛~その人は好きになってはいけない相手でした~
わたしは慌てて立ち上がり、美菜ちゃんを受け止めるために手を伸ばす。
急に立ったら、視界がぐわんと回った。
体がふらつく。

(あ、まずい)

しかしすぐに、どすんと美菜ちゃんの体が突撃してきた。
いつもなら受け止めてることなど容易いのに、その時だけは、急激に吐き気が込み上げる。

頭から、すーっと血がさがる感覚があった。

目の前が白くなり、次に真っ暗になって、美菜ちゃんを抱き抱えたまま後ろのソファに倒れた。


「りんちゃー?」

美菜ちゃんの不思議そうな声。
起きなくちゃ。そう思うのに目が開かない。

「え、凛ちゃん⁉」

「凛! どうした? 凛!!」

反応しないわたしを変に思ったのか、怜士さんと雅さんの焦った声が聞こえた。
そこでプツリと意識が途絶えた。
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