冷徹社長の溺愛~その人は好きになってはいけない相手でした~
「結婚して子供も出来たのに、仕事辞めれなくて世界中飛び回っていたら、離婚になっちゃって。
それで、弟がここに住んでいてね、暫く住んだら良いって余ってる部屋を貸してくれたの。
最近海外から引っ越してきたばっかりなのよ。
ここって空港までのアクセスもいいから、暮らしやすいのよね。
これまで、美菜のお世話はお手伝いさんに頼むことが多かったから、反省して自分でするようにしたのよ。昨日は、車の移動ばかりじゃなくて散歩をするといいって育児サイトで見かけたから、やってみたら大失敗」
肩を竦める雅さんに、なるほどと納得する。
「子育てって服装から持ち物まで工夫しなくちゃで難しいのね。そんなことを今更知るなんて、今までどれだけ育児をしてこなかったか思い知ったわ」
おとといの服装とピンヒールを思い出した。確かに怪我をしやすい格好ではあった。
それが悪いわけではなくて、単純にお世話するには動きにくいかな、とは思う。いざという時の子供の素早い動きに付いていけるなら何も問題はない。
「わたしは子供は大好きですが、育てた事はないので……たくさんの苦労があるんですね」
知識だけなら独学でもなんとかなるが、やっぱり経験するのとしないのでは分からないことも多い。
「でも、こんな可愛い美菜ちゃんと毎日一緒にいれるなんて幸せですね」
「みーちゃかあい?」
「うん。可愛いよ。お話しが上手でとっても美人さん」
育児をしてこなかっただなんて、そんなことはないと思う。美菜ちゃんは雅さんが大好きなの伝わってくるし、ありがとうや、ごめんなさいもちゃんと言えるしっかりした子だ。
美菜ちゃんの柔らかいほっぺたをツンツンとすると、擽ったそうにした。
「ねえ凛ちゃん、よかったらうちで家政婦と美菜のお世話をしてくれない?!」
雅さんが身を乗り出して提案した。
「え?!」
「実はなかなか合う人が見つからなくて困ってたの。単発の依頼なら拘りはないんだけど、うちは長期でやってほしくて……それに、弟の家っていう事情もあるから、なるべく信用のおける人が良くて……」
家政婦も、人とのコミュニケーションが大事だ。
人間的に合う合わないがある。
ノースエリアのお宅ならば、高価なものが多いだろうし、人選に時間がかかるのは当然かも知れない。
「わ、わたしですか? 嬉しいですけど、あまり大きなお宅の経験はなくてご期待に添えれるかどうか」
「美菜もあなたを気に入っているし、人間性もわかったし……あと、経済的にも困ってるみたいだし……わたし、今のお給料の倍だすわ」
「倍?!」
勢いづく雅さんに、目を白黒させる。
それで、弟がここに住んでいてね、暫く住んだら良いって余ってる部屋を貸してくれたの。
最近海外から引っ越してきたばっかりなのよ。
ここって空港までのアクセスもいいから、暮らしやすいのよね。
これまで、美菜のお世話はお手伝いさんに頼むことが多かったから、反省して自分でするようにしたのよ。昨日は、車の移動ばかりじゃなくて散歩をするといいって育児サイトで見かけたから、やってみたら大失敗」
肩を竦める雅さんに、なるほどと納得する。
「子育てって服装から持ち物まで工夫しなくちゃで難しいのね。そんなことを今更知るなんて、今までどれだけ育児をしてこなかったか思い知ったわ」
おとといの服装とピンヒールを思い出した。確かに怪我をしやすい格好ではあった。
それが悪いわけではなくて、単純にお世話するには動きにくいかな、とは思う。いざという時の子供の素早い動きに付いていけるなら何も問題はない。
「わたしは子供は大好きですが、育てた事はないので……たくさんの苦労があるんですね」
知識だけなら独学でもなんとかなるが、やっぱり経験するのとしないのでは分からないことも多い。
「でも、こんな可愛い美菜ちゃんと毎日一緒にいれるなんて幸せですね」
「みーちゃかあい?」
「うん。可愛いよ。お話しが上手でとっても美人さん」
育児をしてこなかっただなんて、そんなことはないと思う。美菜ちゃんは雅さんが大好きなの伝わってくるし、ありがとうや、ごめんなさいもちゃんと言えるしっかりした子だ。
美菜ちゃんの柔らかいほっぺたをツンツンとすると、擽ったそうにした。
「ねえ凛ちゃん、よかったらうちで家政婦と美菜のお世話をしてくれない?!」
雅さんが身を乗り出して提案した。
「え?!」
「実はなかなか合う人が見つからなくて困ってたの。単発の依頼なら拘りはないんだけど、うちは長期でやってほしくて……それに、弟の家っていう事情もあるから、なるべく信用のおける人が良くて……」
家政婦も、人とのコミュニケーションが大事だ。
人間的に合う合わないがある。
ノースエリアのお宅ならば、高価なものが多いだろうし、人選に時間がかかるのは当然かも知れない。
「わ、わたしですか? 嬉しいですけど、あまり大きなお宅の経験はなくてご期待に添えれるかどうか」
「美菜もあなたを気に入っているし、人間性もわかったし……あと、経済的にも困ってるみたいだし……わたし、今のお給料の倍だすわ」
「倍?!」
勢いづく雅さんに、目を白黒させる。