また君に逢えたなら、あの頃の続きをしよう
3月11日。
久しぶりに俺の彼女・芽生(めい)が手に花束を持って会いに来てくれた。
なのに……。
「……守(まもる)くん」
そんな切ない声で俺を呼ぶなよ。
こっちまで辛くなるから。
「あれから13年が経つね」
今にも泣き出しそうな悲しい表情でぽつりと呟く芽生を見て胸を痛めながら「そうだな」と言った。
だけど、俺の声は芽生には届かない。
どんなに君の名前を叫んだところで、芽生になにも伝わらないのはもう分かっている。
ただ悲しみに満ちている君の姿を見ることしかできない。
「この13年、ずっと苦しかった。今もあの日のこと後悔してる」
とうとう堪えきれずに一筋の涙がぽろっと流れ落ちたのが見えた。
「卒業式、あと1日遅れていたらって何度も考えた」
俺も同じこと何度考えたことだろう。
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