また君に逢えたなら、あの頃の続きをしよう

あの日、中学を卒業した俺たち。

そのため、卒業式が午前中で終わって全生徒が家に帰った。

家で昼ごはんを食べ終えてスマホをしながらまったりと過ごしていた昼下がり。

何気ない日常が突如一変した。

ーー東日本大震災。

俺の家は海の近くで、迫り来る津波から必死に逃げた。

ふと後ろを振り返れば建物は次々に破壊していって、街が街じゃなくなっていくのを目にし、恐怖と不安が襲いかかった。

死にたくない!

ここで死んでたまるもんか!

その一心で全速力で走っても津波が来るスピードのほうが速くて俺はいとも簡単に飲み込まれてしまった。

いつどこでなにが起こるか分からない自然災害。

地震や火災などの避難訓練したことがあっても、津波の避難訓練はしたことがなかった。

それどころか、津波が来るわけがないと誰もが想定すらしなかった。

いきなり襲いかかった命の危機にどうすることもできず、津波に飲み込まれ息苦しくなる中、心の中で何度も彼女の名前を叫んだ。

芽生、芽生!

芽生ーー‼︎
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