十回目のお見合いは、麗しの伯爵令息がお相手です。
フィーナはカミロへ話しかけることを諦めて、彼の後ろをひたすらついて行くことにした。一体、自分達は何しにここへ来たのだろう……そんなことを自問自答していると、
「お前は、ここに来て何がしたかった?」
「え?」
「九人目の縁談相手と、ここに来るはずだったんだろう」
「は、はい。そうですが」
カミロから逆に指摘されてしまった。
いざ『何がしたかった』かと聞かれても、九人目の相手とここに来たかった目的は、ただ『デートのため』だった。
たわいもない話をして、お互いのことを少しでも分かり合えたら。そうやってデートを繰り返して、仲を深めていけたなら……花畑ならそういう雰囲気にもなりやすいと踏んだだけであって、デートの場所はどこでも良かった。公園でも、カフェでも。
「ここなら仲も深まるだろうと……安易に考えていたんですよね、私。馬鹿でした」
もしかしたら九人目の彼も、カミロみたいに花に興味はなかったかもしれない。ここに来ても会話は広がらなくて、こうして途方に暮れていたかもしれない。
「お前は、花畑で『仲を深めたかった』のか」
「そ、そうです」
「そうか」
ロマンチックからかけ離れているカミロには、きっと理解できないだろう。雰囲気に頼ろうとしていた自分に、みじめな気持ちになる。
「お前は、ここに来て何がしたかった?」
「え?」
「九人目の縁談相手と、ここに来るはずだったんだろう」
「は、はい。そうですが」
カミロから逆に指摘されてしまった。
いざ『何がしたかった』かと聞かれても、九人目の相手とここに来たかった目的は、ただ『デートのため』だった。
たわいもない話をして、お互いのことを少しでも分かり合えたら。そうやってデートを繰り返して、仲を深めていけたなら……花畑ならそういう雰囲気にもなりやすいと踏んだだけであって、デートの場所はどこでも良かった。公園でも、カフェでも。
「ここなら仲も深まるだろうと……安易に考えていたんですよね、私。馬鹿でした」
もしかしたら九人目の彼も、カミロみたいに花に興味はなかったかもしれない。ここに来ても会話は広がらなくて、こうして途方に暮れていたかもしれない。
「お前は、花畑で『仲を深めたかった』のか」
「そ、そうです」
「そうか」
ロマンチックからかけ離れているカミロには、きっと理解できないだろう。雰囲気に頼ろうとしていた自分に、みじめな気持ちになる。