私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】
「行ってたわ! 私は部屋に入れないと言ったのはあなたでしょ!?」
「……そんな嘘をつくとは思わなかったよ。まぁ、いい。早くこの現象について調べよう」
「嘘じゃな……!」
私の反論を聞く気がないのか、フェリクスはスタスタと歩き出す。
なんなのよ!?
なんで私が嘘を言ってることになるわけ!?
私には立ち入り禁止だと言って、ドロテしか部屋に入れなかったのはフェリクスじゃない!
もっと言い返したいが、今はそれどころではない。
いつ容体が急変するかわからないのだから、早くこの状況について調べるのが先だ。
私は歯をグッと噛み締めて、フェリクスのあとに続いて歩き出した。