私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】

「ドロテから聞いていたの。私と婚約破棄したあと、フェリクスとドロテが婚約するって。だから、私は破棄を受け入れるつもりでいたわ」

「…………」

「でも、実際あなたの前に立ったら怖くなったの。どうしても受け入れられなくて、それで……逃げようとして足を踏み外してしまったの」

「……それは、俺との婚約を破棄したくなかったということか?」

「……フェリクスも、私と婚約破棄したくなかったっていうことよね?」

「…………」

「…………」


 ジーーッと睨み……いえ、見つめ合っている私達。
 お互いにもう色々と察しているものの、今までの関係性もあってなかなか素直になれない。

 そんな気まずい空気を最初に壊したのはフェリクスだった。
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