【短編版】子猫令嬢は婚約破棄されて、獅子となる
第1話
「リディ・ヴェルジール公爵令嬢よ。貴殿は私、第一王子ミカエラ・ウィンドリアスの婚約者でありながら、未来の妃に相応しくない振る舞いをした。さらに、私の隣にいるルルア・キシュラー男爵令嬢に数々の嫌がらせをしたであろう。よって、本日をもって貴殿との婚約を破棄し、ここにいるルルアを新しい私の婚約者とする」
ミカエラが婚約破棄宣言を高らかに言うと、聴衆は皆ざわざわとし始めた。
それはそうだろう。
なんといったって、今日のこの日は貴族令息や令嬢たちが通うこの学院の卒業式である。
卒業生代表としての言葉を言い終えたミカエラが、壇上から見下ろすようにして在校生の席の一番端っこにいるリディに向かってさっきの宣言をしたのだ。
厳かな卒業式の場での行なわれた大スキャンダルともいえるこの「婚約破棄」に、皆の注目が一気に集まった。
その場にいた貴族令嬢たちはひそひそと噂話をし、リディのほうにチラチラと視線を向けている。
貴族令息たちも同級生たちと話したり、露骨にリディを引いた目で見たりしている。
(やはり、婚約破棄を仰るのですね)
リディは心の中でそう言うと、一つため息を吐いて目を閉じる。
そうして自分の中で覚悟を決めた彼女は、目を開いて顔をあげた。
(ミカエラ殿下、このお話をする時が来てしまったのですね……)
ミカエラが婚約破棄宣言を高らかに言うと、聴衆は皆ざわざわとし始めた。
それはそうだろう。
なんといったって、今日のこの日は貴族令息や令嬢たちが通うこの学院の卒業式である。
卒業生代表としての言葉を言い終えたミカエラが、壇上から見下ろすようにして在校生の席の一番端っこにいるリディに向かってさっきの宣言をしたのだ。
厳かな卒業式の場での行なわれた大スキャンダルともいえるこの「婚約破棄」に、皆の注目が一気に集まった。
その場にいた貴族令嬢たちはひそひそと噂話をし、リディのほうにチラチラと視線を向けている。
貴族令息たちも同級生たちと話したり、露骨にリディを引いた目で見たりしている。
(やはり、婚約破棄を仰るのですね)
リディは心の中でそう言うと、一つため息を吐いて目を閉じる。
そうして自分の中で覚悟を決めた彼女は、目を開いて顔をあげた。
(ミカエラ殿下、このお話をする時が来てしまったのですね……)
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