破滅予定の悪役令嬢ですが、なぜか執事が溺愛してきます
ちなみにこの3人のヒロインたちは、容姿や出自が異なるだけでなくゲームの難易度も異なる。
かわいらしいリリカ・ヴァレンシュタイン男爵令嬢は、全てのステータスパラメーターが上がりやすいイージ-モード。
ヒロインキャラのステータスには「健康」「愛嬌」「賢さ」「信頼」「根性」「幸運」の6種類があり、リリカは「賢さ」が劣るものの、それ以外のステータス全ての初期値が高い上に、レベルアップのたびにその上がり幅が大きい。
というのも、リリカは聖女という設定だから。
男爵の庶子で平民暮らしが長かった彼女は天真爛漫な明るさと愛嬌があり、ひたむきさも兼ね備えている。
悪役令嬢ドリスの破滅後のオスカーの出征の際には、聖女としてともに戦場へ向かうというストーリー展開になるため、オスカーの好感度も上がりやすいイージーモードだ。
公爵令嬢のカタリナ・ドラールの初期値は「賢さ」がとても高い。
しかし残念なことに、美人ではあるものの「愛嬌」「幸運」がとんでもなく上がりにくいツンデレキャラ。
オスカーの出征に公爵令嬢が同行する状況は考えにくく、彼女は没落したエーレンベルク伯爵家のかわりに自分が後ろ盾になって資金や物資を提供しようと持ち掛ける。
この申し出をオスカーにどう承諾させるか、そこが大きなターニングポイントになるノーマルモードキャラだ。
そして、アデル・フィッシャー子爵令嬢は、全てのステータスパラメーターの初期値が低い上に、上がりにくいという難易度の高いキャラ。
外見も普通、賢さも普通、家柄は田舎の子爵で貴族の階級では普通以下だ。
何もかもがそこそこな平凡キャラで、オスカーへのアピール力も弱い。
オスカーの出征に同行するためには、ドリスの破滅までに「信頼」と「根性」のパラメーターをMAXまで上げて騎士にならなければいけない。
つまり、ゲーム前半に入手できるスキルポイントを全て「信頼」と「根性」に振らなければならず、そのスキル振りに失敗してバッドエンドになるプレーヤーが多い。
しかも騎士になるためにはゲーム序盤からデイリーミッションでコツコツと「剣の稽古」に励まないといけないという作業ゲーを強いられるハードモードだ。
イージーモードのリリカの場合、適当にプレイしていてもすぐにスキルパラメーターが上がり、オスカーの攻略もチョロい。
その感覚で2周目をカタリナでプレイすると、パラメーターの偏りに驚き、さらにはセリフの選択肢にツンなものしかなくて驚かされる。
アデルにいたっては、オスカーのセリフをスキップしたりせずにじっくりと聞き、よく考えて選ばなければならない。
二次元キャラの感情にここまで真剣に寄り添ったことがこれまであっただろうかと思うほどに、どっぷり感情移入しなければならないのだ。
ゲーム内の課金ショップには思わず買いたくなるような魅力的なお助けアイテムがラインナップされている。
かわいリボンを買って装備すれば「愛嬌」が上がるし、幸運のお守りを買えば「幸運」が上がる。
また、簡単なミッションをクリアすればパラメーターが上がる「スキルアップミッション券」というお役立ちアイテムがあり、これが一番人気の商品だ。
じゃあアデルはちょっぴり課金して「根性」を上げるミッション券で手っ取り早く上げればいい――そう考えがちだが、それは浅慮だ。
根性を上げるミッションは、走り込みや剣稽古、重たい荷物運びなど体力を使うものが多く、やりすぎると疲れがたまって病気や怪我をしてしまう。
そうなると一定期間シナリオを進行できないペナルティーを科せられるだけでなく、ヘタすると後遺症が残り「健康」スキルがごっそり減ってしまうこともあるのだ。
それを阻止するために課金ショップで栄養ドリンクや薬を買う羽目になり、底なしの課金沼にはまる恐れがあるのがアデルというキャラクターだ。
課金せずにクリアするのは至難の業とまで言われていた。
アデル! 頑張ってね!
心の中で努力家のアデルにそっとエールを送ると、早速わたしは次のフラグ回避に向けて動き出したのだった。
かわいらしいリリカ・ヴァレンシュタイン男爵令嬢は、全てのステータスパラメーターが上がりやすいイージ-モード。
ヒロインキャラのステータスには「健康」「愛嬌」「賢さ」「信頼」「根性」「幸運」の6種類があり、リリカは「賢さ」が劣るものの、それ以外のステータス全ての初期値が高い上に、レベルアップのたびにその上がり幅が大きい。
というのも、リリカは聖女という設定だから。
男爵の庶子で平民暮らしが長かった彼女は天真爛漫な明るさと愛嬌があり、ひたむきさも兼ね備えている。
悪役令嬢ドリスの破滅後のオスカーの出征の際には、聖女としてともに戦場へ向かうというストーリー展開になるため、オスカーの好感度も上がりやすいイージーモードだ。
公爵令嬢のカタリナ・ドラールの初期値は「賢さ」がとても高い。
しかし残念なことに、美人ではあるものの「愛嬌」「幸運」がとんでもなく上がりにくいツンデレキャラ。
オスカーの出征に公爵令嬢が同行する状況は考えにくく、彼女は没落したエーレンベルク伯爵家のかわりに自分が後ろ盾になって資金や物資を提供しようと持ち掛ける。
この申し出をオスカーにどう承諾させるか、そこが大きなターニングポイントになるノーマルモードキャラだ。
そして、アデル・フィッシャー子爵令嬢は、全てのステータスパラメーターの初期値が低い上に、上がりにくいという難易度の高いキャラ。
外見も普通、賢さも普通、家柄は田舎の子爵で貴族の階級では普通以下だ。
何もかもがそこそこな平凡キャラで、オスカーへのアピール力も弱い。
オスカーの出征に同行するためには、ドリスの破滅までに「信頼」と「根性」のパラメーターをMAXまで上げて騎士にならなければいけない。
つまり、ゲーム前半に入手できるスキルポイントを全て「信頼」と「根性」に振らなければならず、そのスキル振りに失敗してバッドエンドになるプレーヤーが多い。
しかも騎士になるためにはゲーム序盤からデイリーミッションでコツコツと「剣の稽古」に励まないといけないという作業ゲーを強いられるハードモードだ。
イージーモードのリリカの場合、適当にプレイしていてもすぐにスキルパラメーターが上がり、オスカーの攻略もチョロい。
その感覚で2周目をカタリナでプレイすると、パラメーターの偏りに驚き、さらにはセリフの選択肢にツンなものしかなくて驚かされる。
アデルにいたっては、オスカーのセリフをスキップしたりせずにじっくりと聞き、よく考えて選ばなければならない。
二次元キャラの感情にここまで真剣に寄り添ったことがこれまであっただろうかと思うほどに、どっぷり感情移入しなければならないのだ。
ゲーム内の課金ショップには思わず買いたくなるような魅力的なお助けアイテムがラインナップされている。
かわいリボンを買って装備すれば「愛嬌」が上がるし、幸運のお守りを買えば「幸運」が上がる。
また、簡単なミッションをクリアすればパラメーターが上がる「スキルアップミッション券」というお役立ちアイテムがあり、これが一番人気の商品だ。
じゃあアデルはちょっぴり課金して「根性」を上げるミッション券で手っ取り早く上げればいい――そう考えがちだが、それは浅慮だ。
根性を上げるミッションは、走り込みや剣稽古、重たい荷物運びなど体力を使うものが多く、やりすぎると疲れがたまって病気や怪我をしてしまう。
そうなると一定期間シナリオを進行できないペナルティーを科せられるだけでなく、ヘタすると後遺症が残り「健康」スキルがごっそり減ってしまうこともあるのだ。
それを阻止するために課金ショップで栄養ドリンクや薬を買う羽目になり、底なしの課金沼にはまる恐れがあるのがアデルというキャラクターだ。
課金せずにクリアするのは至難の業とまで言われていた。
アデル! 頑張ってね!
心の中で努力家のアデルにそっとエールを送ると、早速わたしは次のフラグ回避に向けて動き出したのだった。