君はビターチョコのように
バレンタインデート

映画デート

「今日はどこ行きます?」
「最初は映画はと思ったが」
「行きます!」
「決まりだな」
「でも、先輩、映画誘ってくれるのって、珍しいですね」
「そうだな」
「楽しみです」
というわけで、映画館にやって来た。
「アレ観る」と先輩が指を刺したフライヤーは私の大好きな漫画の映画だった。
「日菜、あの漫画、好きなんだろ?」
「はい!私、ずっと、見たかったんです!
チケット買って、早く、行きましょう!」
「ちょっと待て。ポップコーンとコーラ買う」
「私もコーラ欲しいです」
「それじゃ、日菜の分も買ってくるから。
日菜はチケット取ってこい」
と渡してくれたのは前売り券だった。
「もう、席、指定してあるから、引き換えて来て」
「先輩、いつの間に用意してくれてたんですか?」
「友達が買いすぎたからって、よく貰うんだ。
観に行ける時は観に行くようにして消費するし、そのせいで、たまに休み一日映画になる時もあるが、休み満喫してると感じるから、ありがたく思ってるよ。
それで、この前もらったのがこの映画の券だった。
だから、一緒に観たいと思った。それだけ。
分かったら、行ってこいよ」
「先輩、ありがとうございます」
「楽しみだな」
「はい!」
映画のチケットを引き換えて先輩と合流した。
でも、おかしな事があった。
「先輩、コーラ一つしか無いですが、もしかして」
「俺、そんなに飲まないし、一つで良いかと思った」
一つで良くない!
「先輩飲みたい時、なくなってたら、どうするんですか!?」
「さてな」
あっ、とぼけた!
何か企んでる!
「もうすぐ始まるし、入るか」
< 8 / 11 >

この作品をシェア

pagetop