この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている



 * * *


「よう、空澄(あすみ)彩珠(あじゅ)
 今日はいつもより来るの晩いな。
 デートでもしてたのかぁ?」


 デート、って‼


 言った、凪紗が。
 そんなことを。

 それだからか。
 飛び跳ねてしまった、心臓が。


「あぁ、そうだけど」


 そうだけど、って⁉





 凪紗の言葉に。
 空澄は。
 変えていない、全く。
 顔色を。



 そんな空澄の言葉と様子。


 それらを。
 聞いて見ている。

 そうすると。
 なりそうになる、パニック状態に。
 頭の中が。


「おぉ、
 デートしてたこと、認めたな」


 凪紗が。
 している、ニヤリと。


「別に隠す必要もないからな」


 空澄っ⁉


 さっき。
 出かけた、一緒に。

 あれって、デートだったの⁉



 そう思っても。

 なぜだろう。


『あれはデートだったの?』

 できない、そう訊くことが。





 その間にも。


 心詞(みこと)は。
「デートだなんて、
 彩珠ちゃんと空澄くんラブラブだね」
 そう言っている、笑顔で。

 響基は。
「空澄くんと彩珠さん、
 いつの間に付き合ってたの?」
 そう言って。
 している、驚いた表情(かお)を。



 なんだか。
 進んでしまっているっ。
 話がとんでもない方向にっ。


< 103 / 198 >

この作品をシェア

pagetop