この青く澄んだ世界は希望の酸素で満ちている



彩珠(あじゅ)空澄(あすみ)
 こっちに来た方が、もっとよく朝焼けが見えるぞ」


 空澄と私。
 二人の顔の距離。
 ほんのわずか。

 そんなとき。
 聞こえた、凪紗の声が。


「今、いいところなのに」


 中断した、雰囲気。

 それだからか。
 ぼやいている空澄。


 可愛い、そんな空澄が。

 そう思い。
 笑う、クスッと。


「なに笑ってるんだよ」


 ぼやきの次は。
 ふてくされている、少しだけ。


 そんな空澄も。
 思えた、可愛く。



 ふてくされながらも。
 空澄は。
 笑う、仕方なさそうに。

 そうして。
「今、そっちに行く」
 そう言い。
 行った、私と一緒に。
 凪紗や心詞(みこと)や響基のところに。


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